PSCI監査プログラム

製薬業界サプライチェーンイニシアティブ（PSCI：Pharmaceutical Supply Chain Initiative）は、製薬業界に関わるすべての人々のためにより良い社会、経済、環境を実現するという共通のビジョンを持った大手製薬会社によって結成された非営利の会員制組織です。詳しくは、テュフ ラインランドまたは PSCIの会員企業 にお問い合わせください。

PSCI監査プログラムは、サプライヤーが製薬業界のサステナビリティ基準に対する適合性を証明できる唯一の機会です。PSCIの原則は、サプライヤーの選定において、ますます重要な基準となっています。テュフ ラインランドは、PSCIのグローバルな監査サービスプロバイダーとして認定されており、テュフ ラインランドが発行する監査レポートは、グローバルに事業を展開する大手製薬企業18社に認められています。

PSCI監査プログラムは、PSCIの原則だけでなく、倫理、労働、安全衛生、環境保護、マネジメントシステムの分野における国際的な基準や協定、各国・地域の規制に基づき、サプライヤーのパフォーマンスを評価することを目的としています。PSCI原則は、製薬業界に対する期待に基づいており、製薬・医療のサプライチェーンに関わるすべてのサプライヤーに対して、先進国だけでなく発展途上国においても適用されます。

PSCI監査では、セントラルなプロジェクト管理と、クライアントやサプライヤーとのローカルなスケジュール管理を行います。監査プロセスは、準備段階、現地監査、報告作成段階の3つの段階で構成されます。PSCI会員企業は監査状況をトラッキングすることができ、これは透明性の高い包括的な報告プロセスにおける重要な要素です。定期的に送付されるトラッキングリストにより、クライアントは監査プロセスの状況を把握し、より効率的に管理を行うことができます。さらに、定期的なステータスコールを行うことにより、クライアントとグローバルプロジェクトマネジメントチームの間で、緊密かつ明確なコミュニケーションを行うことが可能になります。

PSCI監査プログラムは、次の3つのグループにおいて、特に重要な役割を果たします。第一に、有資格かつ経験豊富な監査員チームが実施するグローバルなサプライチェーン監査は、医薬品を製造する企業に大きなメリットがあります。プロジェクトコミュニケーションやレポートが定期的に発行され、監査の進み具合に関しても最大限の透明性が確保されています。

第二に、PSCI監査は、医薬品のサプライヤーにとってPSCIの原則に適合していることの証明になります。サプライヤーは監査を通じてその専門性を高め、社会・環境・倫理上の問題を発見し、製薬業界に対する期待に応えることが可能になります。

第三に、監査を通じてサプライチェーン全体を継続的に改善することによって、 PSCIの会員企業 の信頼性や健全性を強化し、リーダーシップの実践を推進することができます。また、会員はサプライヤーのデータベース上で監査結果を共有することができ、監査にかかる費用と労力を削減することができます。

監査は、サプライヤーの選択に関する意思決定を容易にします。積極的にサプライヤーの認定を行う企業は、競合他社に対して優位性を得ることができます。現場での作業工程に関するリスクを特定し、優先的に対処することも可能になります。また、サプライヤーに対して、要求事項や規制に関する教育を行う機会にもなります。監査を行い、情報へのアクセスを可能にし、透明性や説明責任を高めることにより、顧客やビジネスパートナーとの信頼関係を強化することができます。

可能です。PSCIの認定を受けた第三者監査機関であるテュフ ラインランドでは、サプライヤーの自主的な監査も行っています。ぜひお問い合わせください。まず見積書を発行し、次に監査を計画・実施し、最後にPSCI監査レポートと是正措置計画書を発行します。監査を受ける企業は、データ共有契約を締結することにより、PSCI監査報告書をすべてのPSCI会員企業に公開することができます。

PSCI 会員企業にスポンサーとして監査費用の負担を依頼することも可能です。あるいは、PSCI事務局に対して自己負担方式の監査を受けたいと直接申し出ることもできます。その場合は、PSCI事務局がPSCI 共有監査プロセスについて通知し、PSCI が認定した第三者監査機関のリストを提供します。

安全・健康・環境（SHE）監査は、ほとんどの場合、健康・安全・環境（HSE）監査と同じ意味で使われています。SHEマネジメントシステムおよび HSE監査 は、適用法やガイドラインの遵守を通じて従業員や市民の安全を守り、環境を保護し、企業に対する信頼を構築することを目的としています。これらのプログラムは、製造業における異常な労働状況から生じる事故を予防するだけでなく、通常の労働状況にも存在するリスクを低減することを目標としています。

企業の社会的責任（CSR）は、企業が自己を規制する仕組みであり、ビジネスモデルに組み込まれているべきものです。CSRには、社会・環境ガイドラインが含まれ、顧客、従業員、ビジネスパートナーなどのステークホルダーに対する最適な行動の基準が規定されています。CSR監査は、社会的、倫理的、環境的な取り組みに対する企業のパフォーマンスを拡大可能かつ測定可能な基準に基づいて評価することを可能にします。

PSCI 監査にはHSE 監査員も立ち会います。監査員は、監査対象のサプライヤーに関連した資格や経験を有し、各国・地域のHSE規制や国際規格（ISO 14001、ISO 45001など）に精通しています。PSCI監査では、CSR（企業の社会的責任）監査員による検査も義務付けられており、コンプライアンスに関する要求事項だけでなく持続可能な開発の観点からも監査が行われます。